明治の時代から引き継がれた家の木材を、一部採用することが、オーナー様のご希望でしたが、ご主人は洋風、奥様は和風が好みであるという事で、意見がなかなか合いませんでした。
しかし、ご主人にも日本人DNAが‥‥外観は今時の日本の洋風スタイル、内部は、和室の続き間と、広めの縁側を設置することになりました。また風水を重んじる奥様、ご家族全員の運気があがるように、何度も図面を変更しました。何とか納得いく間取りになったと自負しております。
さらに、ご主人様のご兄弟は多く、盆、正月にはみんなが実家であるオーナー様の家に集まると言う事で、 奥様は、みんなの料理や布団の準備に大忙しとの事。生家を解体するときにはアクシデントも有りましたが、何とか再利用できるように、梁、柱、床板、建具、欄間を取り外しました。後はこれらをどう使うかが腕の見せ所でした。年末ぎりぎりの入居…。まもなくご兄弟たちがあつまりました。完成した新居に、自分たちが育った家の、思い出の部材には感動をしていただき、大満足でした。また、私の苦労も察して頂いた様で一安心です。
縁側の床板、柿の床柱等、遠くの木材市場や材木店にドライブ感覚で品物を見に行った事も、忘れることが出来ません。現在はマンション住まいをしていたご子息様も実家にもどり、一緒に住まいされています。ご主人様も夢がかなって一安心ですね!うさぎの絵が描かれたトイレのドアもご主人様のお気に入りです。また沢山のご趣味をお持ちの奥様、手洗いの陶器はなかなかの力作です!思い出の詰まった新居、いつまでも健康に住まいされるようお祈りします。